ハクビシンとは

ハクビシンは大きな体に似合わず4cmほどの隙間で屋根裏に侵入する厄介な動物です

天井から物音がする。天井から鳴き声がする。

上記のように天井で何か気配や変化を感じたことはありませんか?放っておくと天井がシミだらけとなり抜け落ちてしまうこともあります。それはハクビシンやアライグマ等の大きい動物が侵入しているかもしれません。
わずか4cmほどの隙間があれば建物内に入り込みますので、どのお家も入ってくる可能性はあります。

本来は野山に生息する動物

近年、自然の少ない首都圏を中心に繁殖を続け、外敵の居ない屋根裏を巣とし被害を与えている害獣です。本来は野生動物ですので木の上などに巣を作り子供を産みますが、都市開発などの環境変化によって生息場所や食料が減少し、都心まで現れるようになったといわれています。

高い繁殖能力

野山で生息していると外敵に襲われたり、エサが調達で出来なかったり等で何匹かの子供や親は犠牲になります。しかし、屋根裏に侵入したハクビシンは、外敵が居ないため全ての個体が成長し生き続けます。短期間で一気に増殖しますので早めに対策をしたいところです。
ハクビシンは完全夜行性であるため、生態をご存じない方が多くいらっしゃると思いますので、下記にてご紹介いたします。

ハクビシン

ハクビシン(白鼻芯・白鼻心)

脊椎動物門 哺乳綱 ネコ目(食肉目)ジャコウネコ科

額から鼻にかけて白い線がある

体長40~60cm(ネコと同じくらい)※尻尾を含めると90~110cm

体色は灰褐色で顔と四肢は黒褐色

ハクビシンの足跡

五本指

ハクビシンって特定外来生物?

ハクビシンは特定外来生物として認定されておりません。ハクビシンは日本で確認された時期がはっきりしないため在来種の対象になることもなく、また外来種として認定されることもないセンシティブなところに位置する動物です。ですのでアライグマのように法的に駆除対象になっていません。農作物が荒らされたり住宅の屋根裏に侵入して被害が認められた場合は、各自治体に申請をして駆除を行うことが出来ます。しかし、駆除を行えるのは狩猟免許所有者のみとなります。

  • 一般の方が駆除・捕獲を行うと法的に罰せられますのでご注意ください。
  • 有資格者の害獣駆除プロフェッショナルにお任せください。

ハクビシンの生態

  • 夜行性。
  • 本来は樹上生活。
  • 鳴き声は「キッキ」「キィーー」威嚇時は「ガッ!」
  • 生後1年で繁殖能力が備わり、妊娠期間は2ヶ月。2~4匹生む。
  • 木の実主食の雑食性(ネズミや庭のコイ等も食べる)※好物はバナナやミカン。
  • 学習能力・警戒心があまりない。
  • 同じ場所に糞尿をする。※糞の中に木の実の種が混ざっていればハクビシン。
  • 冬眠しない。
  • 臭い。
  • なわばりを持たない。
  • 寝床は1頭当たり3~10箇所を利用する。冬季は同一場所を利用する傾向がある。
  • 行動範囲は30~70ヘクタールでメスのほうが狭い。

分布

  • 東南アジアに広く分布。
  • 国内では昭和 20 年代初頭はまばらに分布していたものが、徐々に分布域を拡大し、現在の国内のハクビシンの分布状況をみるとほぼ全国的に生息している。
  • 日本国内にハクビシンが増加した原因として、中国や南方系などから持ち込まれたハクビシンが増加したという説もありますが、戦時中にハクビシンの毛皮で防寒帽を作っていたが終戦後に不要となり、飼育していたハクビシンを放ったのが拡大したという説もあります。
  • 地域的にハクビシンの顔などの斑紋や毛色が違うこと等から、現在は持ち込まれたハクビシンの血が混ざっているのではないかとも言われています。
  • 日本国内ではジャコウネコ科の動物はハクビシンとマングースのみです。明治以前からいた動物は該当しないということで公式には特定外来生物には指定されていません。

運動能力

  • 幅飛びは120cmを跳ぶが好んで跳ぶことはない。
  • 垂直飛びは115cmの所に手が届く。
  • 1mmの太さの針金でも綱渡りをすることができる、ぶら下がりながらの移動も出来る。
  • 垂直の雨どいや針金を登ることが出来る。
  • 4cmの隙間を通り抜ける。
  • 家の壁中を登り降りできる。
  • 穴を掘って侵入することはない。

注意

ハクビシンの捕獲や飼育、殺処分は鳥獣保護法により各自治体などの許可が必要です。

むやみに行うと法律により罰せられます。

また、申請を行っても捕獲をする際は狩猟免許を持った者しか捕獲できません。

申請のない者や無資格者による駆除は違法行為となります。