ここではハクビシンなどが人間に与える感染症の被害についてご説明いたします。
ハクビシン・アライグマによる感染症
各感染症の種類など解説します。
人獣共通感染症
ハクビシンやアライグマの感染症は人にもかかります。駆除の際は殺菌消毒は必ず行わなければなりません。
感染症の種類
- トキソプラズマ
- トキソプラズマ症は、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)というアピコンプレクサに属する原虫によって起こされる感染症です。トキソプラズマはほぼ全ての脊椎動物(哺乳類・鳥類)に感染します。感染すると一生免疫が継続します。健康な人が感染した場合は比較的軽い急性感染症状を起こし、生涯保虫します。妊娠中の女性が感染することによって起こる先天性トキソプラズマ症は、自然流産、死産以外に子供に知的障害や視力障害などを引き起こす危険な感染症です。
- E型肝炎
- E型肝炎ウイルス感染によって炎症し、肝細胞を破壊し機能を低下させます。肝硬変になってしまう場合があります。6週間くらいの潜伏期間で発熱や腹痛、黄疽が現れます。
- レプトスピラ症
- 急性の熱性疾患。3~14日の潜伏期間のあと、発熱や頭痛などの症状が現れます。重症になると肝障害、出血、腎障害を起こします。
- サルモネラ症
- サルモネラ菌の感染で腸炎などを起こす。小さいお子様や高齢者が重篤な感染症にかかります。8~48時間で発熱・腹痛・下痢が起こります。免疫が弱っている人は死亡することもあります。重症化すると血便を排泄します。
- 狂犬病
- 狂犬病は「犬」という字が入りますがハクビシン・アライグマ・コウモリなどからも感染することがあります。国内では撲滅されたとする感染症。潜伏期間は1か月~3か月、発症した場合はほぼ死に至ります。
- アライグマ回虫幼虫移行症
- アライグマ回虫の幼虫移行症で、取り入れた量によって症状がどれほどになるか異なります。神経に移行した場合は死に至る可能性が高く、助かっても発育障害・神経系の後遺症が残る場合が多い。失明の危険もある。
- アライグマ糞線虫症
- 感染すると何十年も感染する。寄生数によって症状が変わる。多いと貧血や腸管麻痺、肺炎、敗血症、髄膜炎を併発することがある。
必ず殺虫、殺菌消毒を!
症状も潜伏期間も様々で人の命にかかわるような感染症ばかりです。また感染しても気づかないことも多くあるようです。ハクビシン、アライグマの駆除を行った後は、害虫の駆除・殺菌消毒を行いましょう。